ProxmoxでCeph（分散ストレージ）を構築しよう！　その1

ここでは、Proxmox 8でCephを導入する手順を掲載しています。

Proxmoxのインストール、初期設定、クラスタの構築を済ませている必要があります。

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Cephとは…？

複数のサーバのストレージを1つの集合体として束ねて使う技術が「分散ストレージ」です。Proxmoxには分散ストレージとして「Ceph」を使用するのが一般的になっています。

ノード1台をメインストレージとし、他のノードのストレージへデータを複製します。誤解を恐れずに表現するならば、ネットワーク経由でRAID 1を組むような感じでしょうか。

耐障害性を確保するため、Cephを構築する場合はノードが3台以上必要となります。データの不整合が発生した際に、どのデータが正しいかを判断するために多数決を取るんですね。

Cephの導入

クラスタ構築済みの3台（pve8-1,pve8-2,pve8-3）でCephを導入します。

Cephを導入する場合はCeph用にストレージが必要なので、各ノードにHDDやSSDを2基以上搭載している必要があります。

Cephのインストール

Proxmoxのメニューの中にCephがあるものの、デフォルトではインストールされていないため、まずは1台目(pve8-1)でCephをインストールしましょう。

コマンドでもインストール可能ですが、Web UIからの方が簡単です。

	ノードを選択し、[Ceph] - [Install Ceph] をクリックします。
	Repositoryを [No-Subscription] に変更します。任意で、Cephのバージョンを選択できますが、今回はそのまま最新版をインストールします。
	[Start reef Instrallation] をクリックし、Cephのインストールを開始します。
	コンソール画面が表示され、インストールが始まります。途中、インストールを進めて良いかの確認が入るので、"y"を入力し、[Enter]キーを押しましょう。
	インストールが終わったら、[Next] をクリックします。
	Public Network IP/CIDR を設定します。複数のNICがある場合は、クラスタ作成時に選択したもので良いと思います。
	Cluster Network IP/CIDR を選択します。クラスタ作成時に選択したものが表示されると思います。
	ネットワークの設定が完了したら、[Next] をクリックします。
	Cephのインストールが完了したので、[Finish] をクリックしましょう。
	CephのStatusに "WARN" が表示されますが、これはCephで使用するストレージの設定がされていないためです。現時点では問題ありませんので、そのまま先にすすみましょう。

2台目以降も同様にインストールを進めますが、一部設定は不要となります。

クラスタ内に設定済みのCephが存在する場合、ネットワーク設定はいじれません。

尚、[Ceph Install] クリック時にエラーが表示され、インストールに失敗することがあります。

その場合は、エラーメッセージに従いコマンドを実行してください。

メッセージには「dpkg --configure -a」を実行するよう記載があるので実行しましょう。

[root@pve8-1 ~]# dpkg --configure -a

Setting up pve-manager (8.2.4) ...
Processing triggers for man-db (2.11.2-2) ...
Processing triggers for dbus (1.14.10-1~deb12u1) ...
Processing triggers for debianutils (5.7-0.5~deb12u1) ...
Processing triggers for mailcap (3.70+nmu1) ...
Processing triggers for initramfs-tools (0.142) ...
update-initramfs: Generating /boot/initrd.img-6.8.8-2-pve
Running hook script 'zz-proxmox-boot'..
Re-executing '/etc/kernel/postinst.d/zz-proxmox-boot' in new private mount namespace..
No /etc/kernel/proxmox-boot-uuids found, skipping ESP sync.
Couldn't find EFI system partition. It is recommended to mount it to /boot or /efi.
Alternatively, use --esp-path= to specify path to mount point.
Processing triggers for libc-bin (2.36-9+deb12u7) ...
Processing triggers for systemd (252.26-1~deb12u2) ...

Monitorの設定

整合性チェックの対象を登録します。

チェック対象は3台以上が必要で、データの不整合が発生した際に「どのノードのデータを正とするか」多数決をして決めます。

ここではノード3台すべてを登録します。

	[Monitor] - [Create] をクリックします。
	追加するノードを選択します。 1台目はすでに登録済みなので、2台目を選択しましょう。
	[Create] をクリックすると登録されます。
	3台目も同様に登録しましょう。