Rocky Linux 8で自宅サーバを作ろう!
ここでは、Rocky Linux 8を使って自宅サーバを作る手順を掲載しています。
尚、説明で使っているWindowsのバージョンは Windows 10 または 8.1 です。
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コンセプト
- 実際に動作可能なサーバの構築(当たり前ですが…)
- パッケージがあるものは極力パッケージを利用する
- グラフィカルな画面(GUI)は使わず、全てコマンドによって操作する
新規に出てきたコマンド等はその都度紹介します。
必要な環境
- 常時接続でグローバルIPアドレスの振られたインターネット回線
- ルータを経由してインターネットに接続していること
- サーバにする実機マシン、または仮想マシン1台
- サーバに接続可能なWindowsマシン1台
その他、失敗してもめげない心、分からないことは自分で調べる気力、どんなに調べても分からなかった時誰かに相談する勇気など、色々必要です。
ちなみに、インストール後の操作は基本的にWindowsマシンから行います(その方が楽なので)。
尚、viエディタの使い方はviエディタの使い方を参考にしてください。
参考までに、我が家のサーバ環境はこんな感じになってます。
Linuxとは…?
Linux(リヌックス、リナックスなど…)とは、狭い意味では"カーネル"と呼ばれるOSの一番基本的な部分を指し、広い意味ではそのカーネルを積んだOS全体を指します。俗に"UNIX系OS"と呼ばれるものの一つです。
本来はカーネルのみを指すので、それだけではOSとして機能させることができません。そこにインストーラーや他のソフトウェア等を組み合わせ、一つのOSとして動作するよう作られたものを"ディストリビューション"と呼びます。
LinuxはGPL(GNU Public License)によって公開されているため、ソースファイルを誰でも見ることが可能です(その内容が理解できるかどうかは別として…)。そして、基本的に無料で使えます。
そのため、多くの人がLinuxを改良し、その結果たくさんのディストリビューションが誕生することになりました。また、そのディストリビューションから更に派生し、新しいディストリビューションが出来ることもあります。
サーバ用途に長けているもの、デスクトップ用途に長けているもの、実験的な要素を強くもつものなど、それぞれのディストリビューションに独特の特徴があります。
使ってみて自分に合ったものを見つけてくださいね!
Rocky Linuxとは…?
Red Hat Enterprise Linux(RHEL)と完全な互換性を持つ、通称「RHELクローン」ディストリビューションの1つで、Red Hatの公開したソースを元に、有志がRHELから商標、商用パッケージ等を除いて再構築(リビルド)しています。
RHELクローンで主流だったCentOSが、CentOS 8以降はStreamと呼ばれる準開発版へ移行することが決まりました。
Streamの詳しい説明はこちらから。RHELとFedoraの間くらいの位置づけでしょうか。Fedoraで培った新しい技術やパッケージをCentOS Streamに実装し、その結果を経てRHELへ導入する。という流れですね。
RHEL側としては、より安定したOSを提供するための方策なのだと思いますが、これまで安定性重視でCentOSを使ってきた方々からすると、この方針転換は受け入れがたいものでした。
いや、せめてCentOS 8のサポート期間が当初の予定通り、2029年5月までだったら問題なかったのですが、突然2021年末でサポート終了!と言われたのでは、無料のプロジェクトとは言え、すんなり納得できるものではありません。
そこでCentOSの代替OSとして、2つのプロジェクトが立ち上がりました。今回選択している「Rocky Linux」と「Alma Linux」 です。
Rocky LinuxはCentOSプロジェクトの創設者によって新しく作られたRHELクローンのLinuxです。CentOS 7までのように、RHELと完全互換のあるOSを目指します。
※Alma Linuxは当初「プロジェクトLenix」という名前で立ち上がり、後に名前が「Alma Linux」へと変更されています。
Rocky LinuxとAlma Linux、どちらも同じ理由から立ち上がったプロジェクトですから、お互い潰し合うのではなく、うまく共存していって欲しい
なぜRocky Linuxを選んだのか…?
Alma Linuxとどちらにしようか迷ったのですが、2021/5/28時点で以下の理由からRocky Linuxを選択しました。
- ・「CentOS」でGoogle検索をした際に先に出てくる
- ・isoイメージのダウンロードまでがスムーズ
とはいえ、基本的に中身は同じはずなので、どちらも同じように操作が可能です。
まだ立ち上がったばかりのプロジェクトのため、今後の動きが気になるところですが、順当に育っていって欲しいものです。
ちなみに、Alma Linuxの方は、CentOS 8から移行するためのツールがgithubで公開されているため、すでにCentOS 8で環境を構築済みの方はAlma Linuxを選択した方が良い場合があります。
尚、既存のRHELクローンのプロジェクトには「Oracle Linux」があります。が、Oracle社が提供するものなので、今回のRHEL同様、いつ方針を変えてくるか分かりません。それは歴史が物語っています。
私は避けることにしました。
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